震災からのあゆみ

東日本大震災津波被害から9年

釜石地方森林組合 代表理事組合長 久保知久

釜石地方森林組合 代表理事組合長 久保知久

皆様方には日頃当組合の運営に多大なるご協力・ご支援を賜り心からお礼申し上げます。平成23年3月11日発生した東日本大震災津波から9年目を迎えました。不幸にも犠牲なられたかけがえのない命に対しまして、改めて衷心より哀悼の意を表します。また、平成29年5月8日発生した尾崎半島林野火災に被災されました皆様に対し心からお見舞い申し上げます。

昨年10月に発生した台風19号は43年ぶりに「令和元年東日本台風」と命名されるほど当地域にも甚大な被害をもたらしました。昨今の自然災害は、地球温暖化による影響と思われる異常気象は通常化し、予想を上回る暴風と降水量を記録し、後世に経験や教訓を伝えるものとなりました。

一方、尾崎半島林野火災被災木を活用した釜石市鵜住居復興スタジアムで開催されたラグビーワールドカップ2019™は1試合のみの開催となったものの1万4,025人もの観衆を集め、スタジアムの木質化は一定の評価をいただき、豊な自然と木の温もりを感じられる地域としての魅力を国内外に発信できたと考えております。

ご周知のとおり令和元年度の総括としまして令和2年2月26日、第57回通常総代会に総代員本人出席108名のご協力をいただき開催し、経常利益36,067千円計上できましたことを組合員各位にご報告いたします。

さて、月日がたつのは早いもので、役職員5名もの尊い命が奪われ、事務所が流出し組織の存続が危ぶまれた、あの忌まわしい東日本大震災津波被害は、昨日のことのように鮮明によみがえります。
「絶望と落胆」のなか目の前のことを少しずつこなすことしかできず進めてまいりました9年でした。市内、町内のインフラ整備も落ち着きをみせ復興事業も完成を迎えるなか、これからいよいよ本格的に災害に強い地域森林環境保全と森林の経済的価値の向上を目指し、組合員各位から安心して任せていただけるような組織体制の構築が重要であると考えております。

復興事業、尾崎半島林野火災復旧事業と同時に進めてまいりました森林経営管理委託契約を推進して令和元年度末には588名、5,601haの契約締結をいただきました。そして、林業の成長産業化の実現と森林資源の適正な管理を目的に「森林経営管理法」施行とともに、「森林環境税」、「森林環境譲与税」への取組も今年度見込まれることから、地域の森林所有者及び組合員並びに小中高生を対象に森林のもつ公益的機能の重要性を伝えるとともに、森林業の啓蒙、普及活動を行ってまいります。そして本年9月26日に開催予定しております「いわての森の感謝祭」に全役職員で対応し釜石市の森林環境保全の重要性を伝えてまいります。

また、地域の森林環境の担い手としての責務を感じながら、林業の成長産業化と自然災害を未然に防ぐ管理方法の確立を早期に目指してまいります。

昨今の木材需要減少の対策として、森林体験事業及び木製品開発販売事業の充実を図りながら、「上閉伊地区木材流通協議会」を実用的なものにして釜石地方森林組合のブランド化を目指してまいります。

地域に根付き、信頼と安心を与えられる組織を目指し取組んでまいる所存です。組合員並びに業界関係者には、より一層のご協力・ご支援をお願いいたします。

令和2年3月11日